食事介助の悩み相談にお答えします

2016.6.2

楽しませる食事介助の方法は?

最大の悩み「口を開けてくれない」

食事介助の際、利用者に口を開けてもらえないという相談が多く見られます。そんなときの対応策として食事を流動食のようにお茶やお湯で柔らかくし、流し込むようにする方法もあります。しかし、固形物を食べられる利用者には、できるだけそのままご飯やおかずを食べてもらいたいという気持ちが介護をしている人間の思いです。そのために、どのような工夫をしていけば良いのでしょうか。

最大の悩み「口を開けてくれない」

食事の味を工夫する

結婚した夫婦のそれぞれの家庭の味の差が問題になるほど、食事の味付けは難しいものです。介護の中でも食事の味付けは難しく、利用者の好みを家族から聞いたり、作った食事の感想を本人からもらい調整していくのが良いでしょう。献立をたてる時はもちろん栄養のバランスを考えます。しかし、食事を楽しくするために好きな食材や料理を取り入れることも重要です。健康上の理由で控えなければならない栄養素や味、食材もありますが、コストと食事制限の許す限り融通してみるのも一つの手でしょう。

食事の味を工夫する

食事の見た目を工夫する

料理は見た目の美しさも重要なポイントとなってきます。盛りつけ方や食器の色、盛りつける量も食欲を左右します。また、落とした時のリスクを考えてプラスチックの食器などを使う施設も多いですが、訪問介護の場合は利用者が使い慣れた食器を使うようにするのも一つの手法です。

食事の見た目を工夫する

利用者に寄り添う

食事の好みもそうですが、他のことでも利用者に寄り添うことは可能です。
まずは食事の姿勢から。食道が垂直になるよう上半身を起こした状態にするのが望ましいです。どうしても上半身を起こすことが難しい場合は枕の位置を工夫し、首の位置をできるだけあげることで誤嚥を防ぐことができます。次に、飲み込むための工夫です。食事の見た目の工夫とは矛盾するのですが、高齢者は飲み込む能力が衰えるため、食事を作る段階で食材を通常より細かく刻んだり、水溶き片栗粉でとろみをつけると飲み込みやすくなります。最後に食事の介助を利用者のペースで行うことの重要性も述べておきます。施設では食事の時間が決まっている中で、早くすませたい介護側の気持ちが利用者を焦らせてしまうこともあります。利用者の目線と同じ高さに顔を合わせ、利用者の食べるペースに合わせてゆっくりとした気持ちで介助してあげましょう。利用者の口の動きを観察し、飲み込んだタイミングを目安にスプーンを口元まで運ぶようにしてみてはいかがでしょうか。
食事は大きな一つの楽しみです。介護中でも重要な喜びを共感できる業務の一つと言えるでしょう。

利用者に寄り添う

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